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致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集

致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集
2023年3月27日

新たな一歩を踏み出す経営者保証の解除の実例

事業承継・M&A

翠星企画株式会社、パートナーコンサルタントの相澤和彦です。

以前の私のブログでは、経営者保証の解除についてお話させていただきました。

今回は経営者保証の解除に至った私の顧問先の実例をご紹介いたします。

おさらいになりますが、経営者保証ガイドラインの3要件はこちらです。

1.資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている

2.財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で返済が可能である

3.金融機関に対し、適時適切に財務情報が開示されている

顧問先に来訪した際、経営者保証の解除に向けた機運が高まっているとお話した所、

社長は、

「経営者保証がある事で経営に規律性が生まれる。そして、返済しようという気持ちがモチベーションになっている」

と仰っており、私も社長の気持ちに納得して、その日は帰宅しました。

しかし、定期的な設備投資が必要な業種であり、借入金が膨らみやすい事から、

数日後に社長から「詳細な話を聞きたい」との事で、再度訪問しました。

開口一番、「どうすれば経営者保証が解除できるか?」との事でしたので、

「まず、少額の役員借入金をすべて返済しましょう」とお伝えしました。

即、会社の現預金から役員借入金を返済し、役員借入金はゼロになりました。

月次推移貸借対照表から資産と負債のバランスを見てみた所、資産超過となっており、

第1条件である「資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている」はクリアしました。

次に、借入金返済の原資となる簡易キャッシュフロー(営業利益+減価償却費)を直近3期の決算書で確認した所、十分な金額を確保していました。

また、社長にヒアリングした所、これまでに借入金の返済が滞ったことはないとの事から、

第2条件である「財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で返済が可能である」はクリアしていました。

最後の条件である「金融機関に対し、適時適切に財務情報が開示されている」ですが、

これまでは金融機関から求められれば決算書を開示していたようであり、金融機関とのコミュニケーションは少し弱いと感じました。そこで、社長と一緒に経営計画を策定する事にしました。

自社の概要、SWOT分析や販売戦略、投資戦略、これまでの売上高の推移とこれから売上計画などの資料を作成し、メイン金融機関に持参した所、その日のうちに経営者保証の解除が実現しました。

社長は私に対して大層感謝しておられましたが、

私は「これまで社長が頑張ってきたことを、明文化しただけです。社長が頑張ってきたことが報われたのですよ」とお伝えしました。

社長は「これで新しい一歩が踏み出せる、設備投資も躊躇なく実行できる」と晴れ晴れとした顔で仰っていました。

その日のうちに政府系金融機関と他の金融機関にも経営者保証の解除を依頼し、後日ではありますが解除の実現に成功しました。

今回の出来事を通して、経営者保証の解除に対する機運はやはり高まっていると感じました。

経営者保証の解除を行うには、まずは動いてみることです。

金融機関の方から「経営者保証の解除を行いませんか?」と言われることはまずないと思います。

そして、第三者からの調査や評価を依頼する事が重要です。

今回は経営計画の中に、第三者である中小企業診断士の私から見た事業性評価書を添付し、外部専門家から経営の正確性が担保されたのが良かったのではないかと感じています。

先の見えない予測不可能な時代だからこそ、肩の荷を下ろし、新しい一歩を踏み出しましょう。

以上、参考になれば幸いです。

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