仙台・宮城の中小企業診断士 / 経営コンサルタント 翠星企画株式会社 代表取締役 細野哲平ブログ

東北地方の中小企業経営者が会社を経営していくうえで
役立つであろう内容を中心にお届けしていきます。

自覚症状が出たらもう手遅れ?

2019年11月23日
今日は身体のことのようなタイトルですが、会社のことです。
 
突発的な事故や災害でもない限り、会社も急には潰れたりしません。
 
ほとんどのケースでは、徐々に悪くなっていきます。
 
しかし初期のうちは病気と同じで自覚症状はないことがほとんどです。
 
原因は外部要因、内部要因様々ありますが、なにかしらの原因がきっかけとなり、徐々に会社を蝕んでいきます。
 
最初に悪化の兆しに気づくのは、現場の従業員であることが多いです。
彼らは現場の最前線にいるので、変化に気づきやすいのです。
 
何か違和感があると、それを上司に報告することもあるはずです。
しかし往々にしてあるのが、その情報をトップが否認してしまうことです。
 
特にこれまで業績が好調だったりして自信があると、悪い情報があってもそれを無視してしまいがちです。
 
時には
「もしかするとこれってまずいのでは?」
と頭によぎることはあっても、
「いや、そんなわけはない。きっと気のせいだ」
といった感じで否認します。
 
要は自分にとって都合が悪いことは認めたくないのです。
 
 
そして更に悪いことに、業績悪化が進み、明らかに問題が出てきたとしても、なかなかその事実を認めようとしません。
 
あえて見て見ぬふりをしたりもします。
 
目の前の現実を認めたくない。
単にそれと向き合いたくないのです。
 
そうこうしているうちに、「もはや手遅れ」の状態になってしまいます。
 
 
このように書くと、
「何を馬鹿なことを。自分はそんな愚かではない」
と思う方もいらっしゃると思いますが、これは名だたる名経営者であっても陥る罠です。
 
この否認というのは人間の本能の一部なので、完全に避けることは不可能ですし、知力が高ければ避けられるというものでもありません。
 
 
否認の罠にはまるのを避けるためには、どんなに見たくない現実であってもそれに向き合う覚悟を持つことではないでしょうか。
 
長期的視野を持つ、
真実を見る、
人の話をよく聞く、
常識にとらわれない
 
こういったことを意識することで、否認の罠にはまることを回避できる可能性が高まるでしょう。
 
 
今回の内容にちなんで一冊の本をご紹介します。
 
なぜリーダーは「失敗」を認められないのか(リチャード・S・テドロー著)
 
いかに人が自分に都合の悪いことを認めないか。
 
否認が原因で破滅の危機に陥った有名企業の事例を分析し、否認を避け、現実に向き合うための「8つの教訓」が書かれています。
 
 
以上、参考になれば幸いです。
 
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全く新しい商品・サービスの価格設定方法

2019年10月28日
前回は価格設定の原理原則ということで、価格設定の基本的な考え方である以下をご紹介しました。
 
1. 原価基準方式
原価+必要利益という考えで価格を出す方法。
 
2. 競合基準方式
競合との比較で価格を出す方法。
 
3. 価値基準方式
商品・サービスの価値を踏まえて価格を出す方法。
 
 
今回は3の「価値基準方式」の発展形として、類似品のない、全く新しい商品・サービスの価格設定方法についてご紹介したいと思います。
 
 
例えば、AIを活用して事務作業が大きく削減できるサービスを新たに開発したとしましょう。
 
では、このサービスはいったいいくらで売ったらよいのでしょうか。
 
 
全く新たなサービスということであれば、まだ競合はいないので「競合基準方式」は使えません。
 
また、「原価基準方式」で考えようとすると、全体としてかかった原価と確保するべき利益は計算できたとしても、それを1顧客あたりいくらで販売するかは顧客数が見えない状況では決められません。
 
 
たとえば、開発費(原価)に10億円かかって、利益を5億円出したいとします。
 
これで見込み客が1万社あるのであれば、単純に割ると1顧客あたり15万円となります。
 
もし見込み客が1,000社の場合は150万円です。
 
しかし、単純に見込み客によって価格を変えるというのは、お客さんから見て納得感が乏しい気がしませんか。
 
 
そこで「価値基準方式」の応用形で考えてみます。
 
基本的な考え方としては、顧客がこのサービスの利用によって得られる1年間の価値の半分の金額を価格にします。
 
 
たとえばサービス利用によって、事務作業コストが年間1,000万円削減できるとします。
 
つまり、年間1,000万円の価値がサービス利用によって生まれます。
 
それであれば、例えば500万円の費用負担というのは、費用対効果的には悪くはないですよね。
 
500万円支払ってサービス導入したとしても、初年度は500万円、2年目以降は毎年1,000万円浮くのですから。
 
 
ただ、これを一括で500万円だと高い印象を持たれてしまうということであれば、例えば5年のリースにすれば月々10万円以下で利用可能になりますね。
 
 
もしサービスの利用者数によって価値が変わるのであれば、利用者数が増えるごとに利用料を増額すればよいのです。
(実際、クラウド系のサービスはそういう料金形態のところが多いですね)
 
 
最後に確認しておくべきこととしては、上記で出した価格で販売した場合、どのくらい売れば原価+必要利益が確保できるのかを把握しておくということです。
 
 
その数字に違和感があるような場合。
 
例えば潜在顧客数は1,000社程度なのに、10万社に売らないとペイできないというのであれば、それは見直しが必要になるでしょう。
 
 
以上、参考になれば幸いです。
 
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価格設定の原理原則

2019年9月21日
今回は価格設定についてです。
 
価格設定というのは非常に重要なのですが、なかなか難しいです。
 
私のところにも、
「この商品(サービス)、いくらにしたらよいでしょう」
 
といったご相談をされる方も少なくありません。
 
価格設定についてはまともに書くとセミナー1本分くらいの内容になるので、ここでは基本的な原理原則をお伝えしたいと思います。
 
 
価格設定の考え方としては大きく分けて以下の3種類です。
 
1.原価基準方式
2.競合基準方式
3.価値基準方式
 
わかりやすくするために、単純な具体例を出します。
 
例えばラーメン屋で新しいラーメンを開発したとしましょう。
 
では、このラーメンをいくらにするかということです。
 
当然、高すぎては誰も食べてくれませんし、逆に安すぎても利益が出ません。
 
ここで適正な価格とはいくらなのか?
という問題が出てきます。
 
そこで先ほど挙げた3つの価格設定の考え方で検討してみます。
 
1.原価基準方式
これは原価に必要な利益を加えることで価格を設定するやり方です。
 
例えばラーメンを作る諸々の材料費が300円かかるとして、材料費率を30%にしたいとすれば、売価は1,000円になります。
(300円÷30%=1,000円)
 
そうするとラーメン1杯あたりの利益は700円ということになりますね。
 
原価300円に必要利益700円を加えて、1,000円という価格設定になります。
 
これが原価積み上げ方式の考え方になります。
 
 
メリットとしては計算で必ず答えがでること、赤字になることがないということです。
(少なくとも粗利ベースでは)
 
逆にデメリットとしては、お客さんにとっての価値と価格のバランスを考慮していないので、「高すぎる」と敬遠されてしまう恐れがあることです。
 
また、もっと高く売れる可能性もあるのに、最初に決めた利益率で価格設定するので、その分の利益を逸してしまう可能性もあります。
 
 
2.競合基準方式
これは類似商品を持っている競合と比較した価格設定を行うやり方です。
 
たとえば、自店と似ているラーメンを近隣の店舗が900円で出しているとします。
 
その状況で先ほどの原価基準方式で出した1,000円という価格設定をしてしまうと、お客さんに「この店は高い」と思われてしまう恐れがあります。
 
そこで競合と合わせて900円に設定する、競合のお客を奪うために少し休めの850円にする、競合のラーメンより自店の方が上であるとお客さんに思ってもらえるなら少し高めの 950円にする・・・
 
などといった形で競合を意識した価格設定を行うのが競合基準方式です。
 
 
メリットとしては市場価格を意識するので、相場的に妥当な価格になりやすいということです。
 
デメリットとしては原価を考慮していないので、最悪の場合原価割れもあり得るということです。
 
 
3.価値基準方式
これはその商品にお客さんはいくらの価値を感じてもらえるかを考えて価格を設定するやり方です。
 
例えば、麺、スープ、具材にとことんこだわった、超高級ラーメンを開発したとしましょう。
 
それがここでしか食べられない特別な一杯ならば、ひょっとしたら3,000円の価値を感じてもらえるかもしれません。
 
それを価格設定に反映させるのが、この価値基準方式です。
 
 
この価格設定方法を採用した場合は大きく利益を取れる可能性があります。
 
ただ、これは類似品があるような商品だと使いづらいです。
その類似品の価格との比較になるので、それより高い価格では売りづらいのです。
 
 
 
以上、3つの価格設定における考え方をご紹介しました。
 
実際に使う際は、どれか1つだけを考えるのではなく、複数の考え方で出した価格を比較検討して、最終的な価格を設定するということになるかと思います。
 
 
できれば価値基準で価格設定して大きく利益を出したいところではありますが、類似商品を持つ競合との価格は意識する必要があります。
とはいえ、原価を割るような価格付けはできません。
 
そのあたりのバランスを考えながら価格設定していくことになります。
 
 
価格設定というのは非常に奥が深いので、方程式のように一発で答えを出す方法は示せないのですが、考え方のヒントになれば幸いです。
 
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