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致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集

致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集
2022年7月14日

力の入れどころを定量的に判断できていますか?

起業・経営について

「利益を上げたい」といった目的があるとして、何をすればよいか考える際に、いきなり具体策の検討に入っていませんか?

経営資源が有限である以上、具体策を考える前に、どこに力を入れると効果が大きいのかを見極めておきたいところです。

実は利益を決定する要素は以下の4つに絞られます。

1.       価格

2.       変動費

3.       数量

4.       固定費

ちょっと例を出してみましょう。

以下はある会社の数字です。

単価1,000円の商品を2,000個販売。

仕入価格は1個600円。

固定費は30万円かかっているとします。

そうすると売上は200万円、変動費は120万円で、

限界利益(売上から変動費を引く)は80万円ですね。

ここから固定費30万円を引いて利益は50万円です。

では、この会社の利益を増やすには、何をするのがよいのでしょうか。

ここで、単価、変動費、数量、固定費をそれぞれ20%変動させてみましょう。

(1要素だけ変えて、他の要素はそのままとします)

単価を20%上げる、つまり値上げですね。

販売価格1,000円に20%増で1,200円。

そうすると、売上は240万円、変動費は120万円で限界利益は120万円。

ここから固定費30万円を引くと利益は90万円。

元々の数字から利益が40万円増えました。

次に変動費を20%削減した場合。

具体的には仕入商品の値引きですね。

販売価格は1,000円のままなので売上は変わらず1,000円×2,000個で200万円です。

変動費は仕入れ価格が20%OFFで480円となるので、480円×2,000個で96万円。

限界利益は104万円。

ここから固定費30万円を引くと利益は74万円。

元々の数字から利益が24万円増えました。

次に数量を20%増やした場合。

販売数量が2,000個から2,400個になります。

営業力強化、販売強化ですね。

売上は1,000円×2,400個で240万円。

変動費は600円×2,400個で144万円。

限界利益は96万円。

ここから固定費30万円を引くと利益は66万円。

元々の数字から利益が16万円増えました。

最後に固定費を20%削減した場合。

これは経費削減ですね。

元々30万円の固定費が24万円になります。

売上は1,000円×2,000個で200万円。

変動費は600円×2,000個で120万円。

限界利益は80万円。

ここから固定費24万円を引いて利益は56万円。

元々の数字から利益が6万円増えました。

結果、

値上げは40万円、

仕入値引は24万円、

販売数量増は16万円、

固定費削減は6万円の利益アップとなりました。

この結果から、同じ20%の変化であれば、

値上げの効果が一番高いということがわかります。

これを感度分析といいます。

動く数字が大きいものに優先的にリソースを投下することが原則です。

やってもやらなくても大した影響がない部分に力を入れすぎてはいけません。

今回の例であれば、固定費削減は相対的に利益への

貢献度合いが低いので、取り組みの優先順位としては高くありません。

もちろん、今回はわかりやすいようにシンプルな

数字にしているので、実際はこんなに単純ではありません。

ただ、このように数字で詰めることの重要性はご理解いただければと思います。

以上、参考になれば幸いです。

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