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致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集

致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集
2019年10月28日

全く新しい商品・サービスの価格設定方法

起業・経営について

前回は価格設定の原理原則ということで、価格設定の基本的な考え方である以下をご紹介しました。
 
1. 原価基準方式
原価+必要利益という考えで価格を出す方法。
 
2. 競合基準方式
競合との比較で価格を出す方法。
 
3. 価値基準方式
商品・サービスの価値を踏まえて価格を出す方法。
 
 
今回は3の「価値基準方式」の発展形として、類似品のない、全く新しい商品・サービスの価格設定方法についてご紹介したいと思います。
 
 
例えば、AIを活用して事務作業が大きく削減できるサービスを新たに開発したとしましょう。
 
では、このサービスはいったいいくらで売ったらよいのでしょうか。
 
 
全く新たなサービスということであれば、まだ競合はいないので「競合基準方式」は使えません。
 
また、「原価基準方式」で考えようとすると、全体としてかかった原価と確保するべき利益は計算できたとしても、それを1顧客あたりいくらで販売するかは顧客数が見えない状況では決められません。
 
 
たとえば、開発費(原価)に10億円かかって、利益を5億円出したいとします。
 
これで見込み客が1万社あるのであれば、単純に割ると1顧客あたり15万円となります。
 
もし見込み客が1,000社の場合は150万円です。
 
しかし、単純に見込み客によって価格を変えるというのは、お客さんから見て納得感が乏しい気がしませんか。
 
 
そこで「価値基準方式」の応用形で考えてみます。
 
基本的な考え方としては、顧客がこのサービスの利用によって得られる1年間の価値の半分の金額を価格にします。
 
 
たとえばサービス利用によって、事務作業コストが年間1,000万円削減できるとします。
 
つまり、年間1,000万円の価値がサービス利用によって生まれます。
 
それであれば、例えば500万円の費用負担というのは、費用対効果的には悪くはないですよね。
 
500万円支払ってサービス導入したとしても、初年度は500万円、2年目以降は毎年1,000万円浮くのですから。
 
 
ただ、これを一括で500万円だと高い印象を持たれてしまうということであれば、例えば5年のリースにすれば月々10万円以下で利用可能になりますね。
 
 
もしサービスの利用者数によって価値が変わるのであれば、利用者数が増えるごとに利用料を増額すればよいのです。
(実際、クラウド系のサービスはそういう料金形態のところが多いですね)
 
 
最後に確認しておくべきこととしては、上記で出した価格で販売した場合、どのくらい売れば原価+必要利益が確保できるのかを把握しておくということです。
 
 
その数字に違和感があるような場合。
 
例えば潜在顧客数は1,000社程度なのに、10万社に売らないとペイできないというのであれば、それは見直しが必要になるでしょう。
 
 
以上、参考になれば幸いです。
 
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