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致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集

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2019年9月21日

価格設定の原理原則

起業・経営について

今回は価格設定についてです。
 
価格設定というのは非常に重要なのですが、なかなか難しいです。
 
私のところにも、
「この商品(サービス)、いくらにしたらよいでしょう」
 
といったご相談をされる方も少なくありません。
 
価格設定についてはまともに書くとセミナー1本分くらいの内容になるので、ここでは基本的な原理原則をお伝えしたいと思います。
 
 
価格設定の考え方としては大きく分けて以下の3種類です。
 
1.原価基準方式
2.競合基準方式
3.価値基準方式
 
わかりやすくするために、単純な具体例を出します。
 
例えばラーメン屋で新しいラーメンを開発したとしましょう。
 
では、このラーメンをいくらにするかということです。
 
当然、高すぎては誰も食べてくれませんし、逆に安すぎても利益が出ません。
 
ここで適正な価格とはいくらなのか?
という問題が出てきます。
 
そこで先ほど挙げた3つの価格設定の考え方で検討してみます。
 
1.原価基準方式
これは原価に必要な利益を加えることで価格を設定するやり方です。
 
例えばラーメンを作る諸々の材料費が300円かかるとして、材料費率を30%にしたいとすれば、売価は1,000円になります。
(300円÷30%=1,000円)
 
そうするとラーメン1杯あたりの利益は700円ということになりますね。
 
原価300円に必要利益700円を加えて、1,000円という価格設定になります。
 
これが原価積み上げ方式の考え方になります。
 
 
メリットとしては計算で必ず答えがでること、赤字になることがないということです。
(少なくとも粗利ベースでは)
 
逆にデメリットとしては、お客さんにとっての価値と価格のバランスを考慮していないので、「高すぎる」と敬遠されてしまう恐れがあることです。
 
また、もっと高く売れる可能性もあるのに、最初に決めた利益率で価格設定するので、その分の利益を逸してしまう可能性もあります。
 
 
2.競合基準方式
これは類似商品を持っている競合と比較した価格設定を行うやり方です。
 
たとえば、自店と似ているラーメンを近隣の店舗が900円で出しているとします。
 
その状況で先ほどの原価基準方式で出した1,000円という価格設定をしてしまうと、お客さんに「この店は高い」と思われてしまう恐れがあります。
 
そこで競合と合わせて900円に設定する、競合のお客を奪うために少し休めの850円にする、競合のラーメンより自店の方が上であるとお客さんに思ってもらえるなら少し高めの
950円にする・・・
 
などといった形で競合を意識した価格設定を行うのが競合基準方式です。
 
 
メリットとしては市場価格を意識するので、相場的に妥当な価格になりやすいということです。
 
デメリットとしては原価を考慮していないので、最悪の場合原価割れもあり得るということです。
 
 
3.価値基準方式
これはその商品にお客さんはいくらの価値を感じてもらえるかを考えて価格を設定するやり方です。
 
例えば、麺、スープ、具材にとことんこだわった、超高級ラーメンを開発したとしましょう。
 
それがここでしか食べられない特別な一杯ならば、ひょっとしたら3,000円の価値を感じてもらえるかもしれません。
 
それを価格設定に反映させるのが、この価値基準方式です。
 
 
この価格設定方法を採用した場合は大きく利益を取れる可能性があります。
 
ただ、これは類似品があるような商品だと使いづらいです。
その類似品の価格との比較になるので、それより高い価格では売りづらいのです。
 
 
 
以上、3つの価格設定における考え方をご紹介しました。
 
実際に使う際は、どれか1つだけを考えるのではなく、複数の考え方で出した価格を比較検討して、最終的な価格を設定するということになるかと思います。
 
 
できれば価値基準で価格設定して大きく利益を出したいところではありますが、類似商品を持つ競合との価格は意識する必要があります。
とはいえ、原価を割るような価格付けはできません。
 
そのあたりのバランスを考えながら価格設定していくことになります。
 
 
価格設定というのは非常に奥が深いので、方程式のように一発で答えを出す方法は示せないのですが、考え方のヒントになれば幸いです。
 
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