仙台・宮城の中小企業診断士 / 経営コンサルタント 翠星企画株式会社 代表取締役 細野哲平ブログ

東北地方の中小企業経営者が会社を経営していくうえで
役立つであろう内容を中心にお届けしていきます。

新規事業の成功率を上げるために

2019年7月13日
今回は新規事業についてお伝えしたいことがあります。
 
新規事業といえば、創業時はもちろん、会社を更に発展させたいとき、本業が不調なとき、事業承継のタイミングなど、様々な場面で検討されています。
 
新規事業は、これから未来に向かって新しいことをやっていくという前向きな取り組みなので、ご相談に来られる方も楽しそうにお話されることが多いです。
 
私も実感としてわかりますが、やはり新しいことを考えるのはワクワクしますね。
 
 
しかしここで知っておいていただきたいのは、新規事業のほとんどは失敗するという事実です。
 
これまで新規事業を立ち上げてきたという方は過去を振り返っていただくとおわかりいただけるのではないでしょうか。
 
私もこれまで様々なことに取り組んできましたが、成功といえるのはほんの一握りです。
 
それでもその一握りが花を咲かせて、収益の柱になってくれればよいという考えで取り組んでいます。
 
しかし、だからといって最初から数打てば当たるといった姿勢で新規事業立ち上げに臨むのはいただけません。
 
経営資源には限りがあります。
 
創業時、または現在の本業に未来がないような場合、限りある経営資源(具体的にはお金)が尽きる前に新規事業を成功させる必要があります。
 
 
ではどうすれば新規事業を確実に成功させることができるのか?
 
 
残念ながら私はその答えを持ち合わせていません。
 
何故なら成功というのは、千の事例があれば、千通りの成功要因があるからです。
 
なかなか普遍化することは難しいです。
 
 
ただ成功率を上げることはできます。
 
考え方としては、成功要因を探すのではなく、失敗要因を潰しておくのです。
 
成功要因が多種多様なのに対して、失敗要因というのはある程度パターン化できます。
 
その失敗しないための原理原則を押さえておけば、結果として成功率を上げることにつながります。
 
 
今回はその一部分をご紹介したいと思います。
 
1.飛び石をしない
新規事業というのは基本的には以下のいずれかです。
 
a.新しい顧客に既存の商品を売る
b.既存顧客に新しい商品を売る
c.新しい顧客に新しい商品を売る
 
このうちcのことを「飛び石」と呼んでいるのですが、この飛び石はハイリスクです。
 
例を挙げてみましょう。
仙台で肉屋を営んでいる人がいるとします。
aは別地域の山形でも肉屋をやるイメージです。
bは同地域で別業態のとんかつ屋をやるイメージです。
cは別地域の山形で別業態のとんかつ屋をやるイメージです。
 
あくまで例なので単純化していますが、cが一番難しそうというイメージを掴んでいただけたのではないでしょうか。
 
原則としては、顧客か商品のどちらかは既存のものを活かした方が上手くいきやすいということです。
 
 
2.リスクを事前に想定しておく
新規事業検討においては、リスクの洗い出しがとても重要です。
 
ある程度事業構想ができたところで、当事業のリスクはどのようなものがあるか、想像力を働かせて複数洗い出してみてください。
 
洗い出したリスクについては、それぞれ評価します。
 
具体的には、発生確率×ダメージで優先順位付けしていきます。
 
その上で優先順位が高いものから、予防対策と、リスクが実際に発生した際の対応策であるコンティンジェンシープランを検討しておきます。
 
新規事業を考えているときはどうしても気持ちが前向きになるので、なかなか後ろ向きのことは考えづらいです。
 
それでも事前にリスク検討をしているかどうかで、事業の成功率は大きく変わってきます。
 
 
3.小さく始めて仮説検証を繰り返す
いきなり大きく始めてしまうと、想定外の失敗をしたときに取り返しがつかなくなります。
 
可能な限り最初は小さく始めて、お客様の反応などを見ながら少しずつ軌道修正していってください。
 
初めから完璧な計画など作れません。
 
むしろ計画は仮説検証しながら随時修正していくものだと考えておいた方がよいでしょう。
 
 
他にもいくつかあるのですが、今回はこの辺にしておきます。
 
ご参考になれば幸いです。
 
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破滅しない潰れ方

2019年6月13日
以前の日経ビジネスの特集で、「起業、失敗の後~「破滅」と「再起」を分けるのは~」というタイトルの記事が掲載されていました。
 
今回はこれに乗っかって、自分なりに「破滅」と「再起」を分けるのは何なのかということを書いてみたいと思います。
 
まず「破滅」とはどういう状態なのか。
一言でいってしまうと“死んでしまう”ことです。
自殺すると物理的に死んでしまいますし、自殺までしなくても、生きる意欲を失って惰性で生きている状態というのも、ある意味心が死んでしまっているといえるでしょう。
 
では会社が潰れても「破滅」しないためには何が必要なのか。
それは何かしら力になってくれる人ではないでしょうか。
 
わかりやすい例でいうと、再起のための資金の出し手になってくれる、再就職を世話してくれる、仕事を紹介してくれるなど、生計を立てなおす上での力になってくれる人たちです。
 
私も会社を潰した当時、何人かの方が事情を知った上で仕事を出してくれたり、色々な便宜を図ってくれたりしたおかげで、衣食住に困るようなことにはなりませんでした。
 
また、傍にいて話を聞いてくれることで、精神的な支えとなってくれる家族や友人の存在も必要です。
 
私も彼らがいたからこそ、「ちゃんと立ち直らなければいけない」と思えました。
 
ここで大事なことは、苦しい時に助けてくれる人が周りにいるかどうかです。
 
「こいつが困っているんだったら助けてやるか」と本気で思ってくれる人がどれだけいるか。
 
これは普段の仕事や生活で、周囲の人たちとどう接しているかということで決まってくるのでしょう。
 
気を付けなければいけないのは、こういう大事な人たちに、会社が潰れる前に借金を申し込まないということです。
 
追い詰められた状態で目先の支払いに充てるための借金をしても返せなくなる可能性が高いです。
 
そのような不義理をしてしまうと、会社が潰れてしまったあとに助けてもらうことなどできないでしょう。
 
そういった意味では、やはり撤退ラインを決めておくというのは大事なことです。
 
私の場合は金融機関以外、たとえば友人、知人からの借入はしないと最初から決めていました。
 
どこで撤退ラインを引くのかは、価値観の問題もあるので正解はありませんが、大切なのはラインを決めたらそれを守ることです。
 
実際のところ、撤退を決めるというのはなかなか難しいのですが、ずるずる先延ばしにして友人や家族から借金を重ねた上に潰してしまうと、それこそ夜逃げするしかなくなってしまい、文字通り再起不能に陥ります。
 
そうならないためにも、引くべきところでは引くという判断も大事ではないかと思います。
 
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社長の時間配分を戦略的に考える

2019年5月15日
社長の時間というのは、会社にとって非常に貴重な資源(リソース)です。
 
社長の時間は基本、いつも足りません。
というのも、社長の仕事は作ろうと思えばいくらでも作れてしまうからです。
 
目先の仕事だけでも手一杯になりがちですが、会社の将来を考えれば、今後の戦略や計画作り、新商品・サービスの開発、組織や人材配置の検討、営業やマーケティングの検討、財務戦略や資金調達・・・などなどやることは盛りだくさんです。
 
「1日が48時間になればいいのに」
「自分だけ倍速で動けたらいいのに」
などと考えたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
そうはいってもそれは無理な相談。 誰もが平等に与えられた1日24時間という時間をどう振り分けていくかというのはまさに戦略的な考えです。
 
以前も書いた通り、戦略とは「目的を達成するための資源配分の選択」です。
 
ですので、まずは目的を設定しましょう。
 
ここでの目的は、現在ご自身や会社にとって優先度の高い課題を設定するのがよいでしょう。
 
たとえば、新規顧客の開拓、資金調達、組織作りなど。
ここではざっくり書きましたが、本来は「〇月までに〇〇エリアの新規顧客から〇件受注を取る」、「〇月までに〇万円の資金を融資で調達する」など、具体化してください。
 
目的が設定できたら、次はご自身の行動や今後やりたいと考えていることを目的と照らし合わせて優先順位付けを行います。
 
例えばある層の顧客を獲得するためには、新商品が必要不可欠となった場合、優先度が高いのは新商品の開発に繋がる行動です。
 
逆にそれ以外の行動は一時的に優先度を落とします。例えば幅広い人脈獲得のために行っていた交流会の参加回数を減らすなどです。
 
ちなみに、自分がどういった行動をしているのか、自分では意外とわからなかったりするので、1週間くらい行動記録を取ってみるとよいでしょう。
 
行動や今後やりたいことに優先順位をつけると、往々にして時間が足りないということになります。
 
その場合、次に考えなければならないのは、いかに足りるようにするかということです。
 
考える方向性としては色々あります。
・行動・タスクを効率化して短時間で終わらせる
・行動・タスクの全部または一部を他人にやらせる
・行動・タスクの必要性を再検討して無くす
・課題達成の期限を延ばす
 
なお、4つ目の「課題達成の期限を延ばす」は楽ですが、毎回こればかり選んでいるといつまで経っても重要な課題が解決できないということになるので、くれぐれもご注意ください。
 
厳密に全行動・タスクについて優先順位をつけようとすると、複雑で時間もかかってしまって本末転倒なので、ざっくりでも「今後やりたいことに必要なことに多くの時間を割く」と意識するだけでも変わってきますよ。
 
以上、ご参考まで。  
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