お客さんが欲しいもの、本当にわかっている?
ビジネスで重要なことを挙げるとしたら何でしょう?
答えは色々あるとは思いますが、「顧客の理解」、
つまり「お客さんを理解する」ことというのは、
間違いなく上位に入るでしょう。
お客さんのことは十分理解しているつもりでも、実際はわかっていないことが多いです。
その理由としては次の通りです。
(1) お客さんはなかなか本音を言わない
(2) お客さん自身も何が欲しいかわかっていない
1つ目の「お客さんはなかなか本音を言わない」
については、ご自身がアンケートやインタビューに
答えるときを想像してみるとわかりやすいかと思います。
特に実名アンケートやインタビュアーを前にした
インタビューでは、本音を言いにくいことがあります。
多くの人は「嫌な人間と思われたくない」という気持ちがあります。
そこで商品やサービスに感じる悪い点を素直に伝えるのはどうしても躊躇してしまいます。
インタビュー相手がその商品のメーカー担当者だったりしたらなおさらですね。
また、人には「他人から良く見られたい」という願望もあります。
なので、つい見栄を張ったり、大げさに表現したり、
本音を隠したり、逆のことを言ったりしてしまうのです。
これらによって、
「お客さんはなかなか本音を言わない」
のです。
2つ目の
「お客さん自身も何が欲しいかわかっていない」
については例題を通じて説明します。
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アメリカのカミソリ・メーカーが、インド市場向け
の商品を開発するため、アメリカ在住のインド人を
集めてグループ・インタビューを行い、試供品を作った。
ところが、インド現地の人々には、全く受け入れられなかった。
理由は、アメリカ在住のインド人と、インド在住の
インド人では、カミソリを使う時の環境が全く違っていたから。
いったい何が異なっていたのでしょうか?
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アメリカ在住のインド人にインタビューしたところ、
インドは薄暗い中でヒゲを剃らなくてはならない。
なのでカミソリの安全性を高める必要があるという意見がでました。
なので、このメーカーは5枚刃のカミソリが売れると予想しました。
ただ、実際にインドで売ってみてわかったことは、
インド人はアメリカ人ほど綺麗にヒゲを剃る必要性を感じていませんでした。
アメリカ在住のインド人はアメリカの生活に
慣れていたので毎日ヒゲを剃る習慣が身についていました。
5枚刃カミソリの提供価値は、
ヒゲを綺麗に剃った場合の安全性が高いということです。
ただ、アメリカ在住のインド人は、この前提に気づくことができませんでした。
常識を疑うことができなかったのです。
この例では、もしリサーチを行うのであれば、
インド在住のインド人にインタビューすべきでした。
顧客を知るためにアンケートやインタビューを行う
機会があると思いますが、顧客が本当に求めている
提供価値を知ることは簡単ではありません。
誰に聞くか、聞くときのシチュエーション、
質問の仕方、これら全てを綿密に練り上げたうえで臨む必要があります。
以前も書きましたが、ビジネスの本質は
「顧客に価値を提供する」ことです。
どんな問題・課題・片づけたい用事を持っている人に、何を提供するかということです。
これを間違ってしまうと、想定している売上を上げることはほぼできません。
十分に気を付けください。
以上、参考になれば幸いです。
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