組織開発における「技術的問題」と「適応課題」とは
「リーダーシップとは何か」について研究を続け、IBM、マイクロソフト、マッキンゼー、世界銀行、CIAなどの企業、政府、NGOのアドバイザーも務めるロナルド・ハイフェッツ氏は企業の問題や課題の捉え方について「技術的問題」と「適応課題」の二つに分けて定義をしました。
「技術的問題」は既存の方法や知識で実行が可能であり、その道のプロである専門家を呼んだり、ソリューション等の提供を受けたりして、やり方を覚えれば解決するものです。
対して「適応課題」は既存の思考や行動では解決ができない複雑で困難な問題であり、自身の考え方や行動を変えないと解決が出来ないものです。
例えば、病気や怪我になって、その治療をするとした場合、
病院に行って手術をしたり、投薬したりすることによって改善されるものが「技術的問題」、
「適応課題」は手術や投薬しても、生活習慣が変わらないと病気が再発してしまうようなものとなります。
企業経営においても、思い当たる節がある人は多いのではないでしょうか。
高い金額を出して導入した最新鋭のシステム・設備がうまく活かしきれずなかなか改善しない
経営者が理念やビジョン、戦略を掲げたものの、スタッフになかなか浸透せず実行できない
これらは前述の「適応課題」に当たるもので、それこそスタッフの思考や行動が変わらないと解決できません。
そこに「技術的問題」の解決方法を用いて対処しようとしても、解決することは難しいのです。
ここで「適応課題」とはどういったものか考えてみましょう。
個人のレベルでは、仕事の目的や仕事に対するモチベーション、抱えているストレスなどの感情面、普段の無意識からなる行動パターンなども該当します。
職場環境レベルでは、チーム内のフォロー体制やリーダーシップ、コミュニケーションのあり方などで
会社組織としては情報共有や部門間の連携、経営者への信頼感やリーダーシップ、組織風土や文化となります。
このようなところに問題、課題があった場合は、個人や組織、企業の「生活習慣」を変えなければなりません。
では、どういった時に、「生活習慣」が変わって「適応課題」に対応できるようになるのでしょうか。
思考や行動を変化するためには、原因の一部が自分にあることを気付く必要があります。
そのためには、現状を認識(観察)することが必要であり、リーダーが中心となってメンバーとともに対話をして探求することです。
メンバー間で課題を見定めて、解決に向かうきっかけが生まれると、他者から促されて「やらされた」ときとは違い、継続的に解決に向かって進んでいきます。
多い「適応課題」は社長と従業員の関わりです。
創業者が一代で築き上げた会社などは、経営サイドの想いが従業員に伝わっていないことがあります。
しっかりとコミュニケーションを取って、寄り添った対話を続ければ信頼関係の構築にも繋がります。
企業の自己変革力を高めることが出来ますので、ぜひお試しください。
以上、参考になれば幸いです。
翠星企画パートナーコンサルタント 小林 大
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