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致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集

致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集
2023年7月31日

後継者人材バンクを活用した起業方法と心構え

事業承継・M&A

翠星企画株式会社、パートナーコンサルタントの相澤和彦です。

後継者人材バンクとは、各都道府県に設置されている公的機関で中小企業の事業承継を総合的に支援している事業承継・引継ぎ支援センターにて実施されている事業の1つです。

現在、中小企業の約7割が後継者不在と言われています。

2025年には、経営者が70歳以上の企業が約245万社まで増加し、そのうちの約127万社が後継者不在による廃業・倒産の危機に直面するであろうと予測されています。

この問題に何の対策も講じられず127万社が廃業となれば、約650万人の雇用が失われて約22兆円ものGDPが消失するという経済的損失が予想されています。

このような問題を解決するために、創業を目指す起業家と、後継者不在の会社や個人事業主を引き合わせ、創業と事業引継ぎを支援する事業が、後継者人材バンクです。

コロナ禍による経済環境の悪化を原因として、老舗中小企業の株価も下がっています。

これまでに積み重ねたキャリアを活かして、社長として活躍し、地域の雇用や地域経済を守る事に貢献することが出来ます。

今回は後継者人材バンクを活用して起業を考える方へ、活用方法と心構えをお伝えします。

「自分の強みの棚卸しをしよう。」

後継者不在であれば、どんな会社でも良いと考えるのは、ハッキリ言って無謀です。一旦引き継げば、上手く行かないからと言って、直ぐに辞めることは出来ません。そもそも事業承継で困っていた会社です。貴方が辞めて後継者が直ぐに見つかりますか?

また、従業員は何名ですか?貴方が辞めてしまうと従業員が困ります。

せっかく後継者が見つかったのに、上手く行かないからと言って直ぐに辞めてしまうと、最悪、廃業となり、従業員が路頭に迷う可能性があります。

そうならない為には、これまでに自分が培った強みを改めて考える必要があります。例えば、スキルや経験、これだけは誰にも負けないと思う事が強みです。

学生時代に学んだ事や社会人になってから学んだ事、培った人脈、経験を活かせる企業を選ばなければ、簡単に成功する事は出来ません。

こんな仕事をやりたい、では通用しません。引き継いだ瞬間、貴方は社長なのです。

「事業計画の策定と情報収集」

強みを棚卸した後は、自身が創業することを想定して事業計画を策定しましょう。

数値計画も含めて事業計画書を作成し、事業の成功確率を高めるために具体的なイメージを描く必要があります。

創業希望者が第三者承継するメリットは、販売先(顧客)や仕入先、店舗等の経営資源を引き継ぐため、創業時のリスクを低く抑えることが可能で、地域における知名度や経営ノウハウ、代々育まれてきた知識など、目に見えない資産を引き継ぐこともできます。

しかし、独立創業ですと、その通りには行きません。最初から引き継ぐ会社の資産に頼るのではなく、自分自身が創業するつもりで、

「顧客をどうやって獲得するか」「資金繰りをどうするか」「採用をどうするか」

などを考えてみてください。被承継者は、これまで大事に育ててきた会社を譲渡するのですから、意気込みと覚悟がなければ伝わりません。

次に情報収集が大事です。

事業承継・引継ぎ支援センター「https://shoukei.smrj.go.jp/index.html

親族内への承継、第三者への引継ぎ、中小企業の事業承継に関するあらゆる相談に対応する「事業承継・引継ぎ支援センター」 は、国が設置する公的相談窓口です。後継者人材バンクも事業承継・引継ぎ支援センターの事業の一つです。地域によっては、産業競争力強化法に基づく認定特定創業支援等事業による創業塾の受講が必要となる場合もあり、引き継ぐ要件があります。事前に調べたうえで問い合わせることが必要です。

J-Net21「https://j-net21.smrj.go.jp/

業種別開業ガイド、市場調査データ、その他様々な情報が掲載されているのが、中小企業経営者の課題解決をサポートし、最新の支援情報や事例をお届けする独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21を参考にしてください。

よろず支援拠点「https://yorozu.smrj.go.jp/

よろず支援拠点には、多様な分野に精通した専門家が在籍し、課題の大小を問わず何度でも無料で相談できる、国が設置した相談所です。経営上の悩みに親身に耳を傾け、抱えている悩みの本質的な課題を明確化するとともに、適切な解決策を提案しています。

日本政策金融公庫「https://www.jfc.go.jp/

日本政策金融公庫は、政府100%出資の政策金融機関です。中小企業向けに融資や経営支援サービスを実施しています。企業活力強化を目的とした融資制度のひとつとして、事業の承継を受ける方向けに「事業承継・集約・活性化支援資金」があります。

事業承継・引継ぎ補助金「https://jsh.go.jp/r4h/

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継の際に新事業を行う中小企業・小規模事業者に対して、その取組に係る経費の一部を補助し、経営資源の引継ぎに要する経費の一部を補助する事業を行うことにより、事業承継を促進し、経済の活性化を図ることを目的とする補助金です。引き継ぐ際に新事業を行う場合はぜひ活用したい補助金です。

最後に…自分自身のライフプランを考えましょう。

引き継ぐ会社の財務状況によっては、十分な役員報酬が得られないこともあります。引き継いだ当初に新事業を開始した場合など、事業が軌道に乗るまでは時間がかかることも考えられます。不測の事態に備え、事業だけでなく、自分の生活に必要な資金は準備しておく方が良いでしょう。

以上、参考になれば幸いです。

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