事業計画の罠
前回のエントリーでは、事業計画書の必要性について書きました。
しかし、作成した事業計画を実行に移す際には、特に気を付けなければならないことが1つあります。
それは、「支出の計画は予定通り進むが、収入の計画は予定通り進まない」ということです。
支出の計画、つまり設備や備品を購入したり、事務所を借りたり、人を雇用したりといった、自社がお金を払って行うことは、基本的には自分の意思だけで行うことが出来るので、計画通り支出が行われていきます。
しかし、収入の計画の方は、「これくらいは売れるだろう」という見込みで計画されている場合が多く、当初の予定通りにはならないことも少なくありません。
ここで問題なのは、収入は計画に反して少なくなったにも関わらず、支出は計画通りそのまま行ってしまい、収支が大幅に赤字になってしまうことです。
特に収入の方を大きく見積もってしまい、それに伴う投資として支出の方も大きく行ってしまった場合は、一気に財政状態は厳しくなってしまいます。
私はこれを個人的に、「事業計画の罠」と呼んでいます。
お恥ずかしい話ですが、私は過去、この罠に見事はまってしまいました。
収入の方の計画が予定通りでないにも関わらず、当初の計画にこだわってしまい、無理な支出を続けてしまったのです。
この「事業計画の罠」にはまらないためには、まずはこまめに計画の進捗状況を確認することです。もし当初の計画通り収入が得られていないようなら原因を調査分析し、今後も計画通りの収入が得られる見込みが薄いと判断したら、支出計画の方も即座に見直す必要があります。
人間、一度作った計画に愛着(?)を持ってしまうと、ついついそれに執着してしまいがちです。
しかし、計画を見直すことは決して躊躇してはいけません。
見込みと違うと判断したら、即、見直しを行うべきです。
前のエントリーでも書いた通り、計画を見直すだけならたいしたコストはかからないのです。間違った計画を進めると大きく時間もコストも失い、最終的には取り返しのつかない事態になってしまいますのでくれぐれもご注意ください。