2014年12月28日
中小企業再生の実務: 金融機関対応と法的手続き
書籍のご紹介
ここ最近、経営改善計画の策定を中心とした、企業再生に関する案件に携わる機会が増えてきました。
そこで、人からお勧めされた書籍が以下です。
中小企業再生の実務: 金融機関対応と法的手続き(濱田法男 (著), 権田修一 (著), 天野清一 (著))
本書は3人の著者による3部構成となっており、「第1部 私的整理」、「第2部 中小企業の事業再生のための法的手続き」、「第3部 会計事務所における事業再生の取組み」となっています。
企業再生は大きく分けて、私的整理と法的整理に分けられるのですが、本書では第1部は私的整理、2部と3部は法的整理を中心として書かれています。
本書をお勧め頂いた方からは、「中小企業診断士が関わる案件はほとんどが私的整理なので、ひとまず第1部を読んでおくとよい」と言われたので、まずは1部を一通り読んでみました。
本書(第1部)の特徴としては、再生計画策定時に金融機関と調整すべき諸項目についての内容が中心となっていることです。
第1部の著者が金融機関出身の方ということもあって、金融機関における債務者区分、金融機関で使われている用語、金融機関の債務者企業に対する見方など、かなり具体的な内容が書かれています。
逆に、再生計画の中身そのものについての内容はやや薄い印象でした。
私としては、企業再生支援の局面において、金融機関からの支援を取り付けるまでの一連の流れと、金融機関の人がどういう考えを持って支援を検討するのかということがわかった点で参考になりました。
中小企業経営者の方にとっても、金融機関と融資取引を行う際、または企業再生の局面で条件変更の交渉を行う際に参考になる部分があるのではないかと思います。