Blog

成長の壁を乗り越えるための経営実践ノウハウ集

成長の壁を乗り越えるための経営実践ノウハウ集
2024年9月24日

会社を強くする予実管理とは?

起業・経営について

「強い会社」というと、どういうイメージがあるでしょうか。

定義は色々あると思いますが、

「変化する経営環境に適合し続け、継続的に利益を上げ続けることのできる会社」

というのは「強い会社」といえるのではないでしょうか。

では、「強い会社」の条件は何でしょう。

これもいくつかありますが、そのうち1つが今回のテーマである

「予実管理がしっかりできていること」

です。

「予実管理」は、予算と実績を比較して経営課題を洗い出すことを目的とします。

まず、月次決算をいかに正確・スピーディーに作成できるかが肝です。

できれば、翌月5営業日までには作成できているようにしたいところです。

もちろん、比較対象となる月別の予算を作成しておく必要もあります。

これは通常、事業計画や年度予算などから落とし込んでいきます。

そして、予算と実績を部門ごと、勘定科目ごとに毎月比較します。

その差異を算出して予算比で+-5%以上差異がある場合は原因を分析します。

その結果からすぐにどんな手を打つ必要があるかを検討して実行に移します。

予算比で+-10%以上差異があるのであれば、

事業や前提条件そのものに根本原因や問題があると考えてほぼ間違いないです。

ただし、予実管理を始めたばかりで、

予算作りの精度が低いということもあるでしょう。

その場合は、精度が上がってくるまでは、

ある程度予算の計上ミスということで許容します。

慣れてきた上で+-10%というのは赤信号だと考えてください。

以下は予実管理のポイントです。

このまま原価や経費をかけても売上が上がらずに赤字になりそうだとなったら、

ただちに事業を中断して別な対策を取る必要があります。

事業の中止や売り方変更ができない場合、

人件費や経費の徹底した削減を実施する必要があります。

逆に売れ筋商品が欠品してチャンスロスがでそうと判断したら追加発注、代替商品を仕入れるなどを行います。

たとえば売上高、売上総利益、粗利益率の実績値が予算や前期実績よりも低かったとしたらどうすればよいでしょう。

対策案の一例としては以下のような感じです。

・売れ筋商品や関連商品の仕入れを増やす

・死筋商品の仕入れを止める

・在庫商品を値引きして売り切る

・営業方法を変える

・直接営業から代理店営業に切り替える

・売上総利益を増やすのであれば扱う商品を増やす

・品切れ率を減らす

・よく売れる商品の製造方法見直し

・仕入れルートを変える

・為替差益を仕入れ先に要求

・原料メーカーと仕入れ価格の交渉をする

ここでは、P/L(損益計算書)のイメージができて、具体的な指示ができることが重要です。

打ち手同士が矛盾する可能性はありますが、何が成功するかはやってみなければわかりません。

まずトライすることです。

何もせず時間だけ過ぎてしまうのが一番よくありません。

予実管理は予算管理をする部門だけが行って、社長に報告して終わりではダメです。

経営上大きな問題が発生しそうなときに、

すぐに警報を出すアラートシステムを組み込んで、

関連部門に直ちに働きかけられるようにしないと意味がありません。

これが予算管理部門の役割です。

アラート基準は月次予算と+-5%以上違っていた場合です。

その場合は、原因調査と対策を行ってください。

月末近くになったら仮実績がでるようにしたいところです。

また、売上だけでなく、仕入高、粗利益、限界利益、在庫なども管理項目です。

また会計数字だけでなく、受注率、歩留まり率、クレーム率なども重要です。

何が重要かは会社によって異なりますが、

自社にとって重要な数値を予実管理の対象にしてください。

ビジネスの基本はPDCAサイクルを回すということ。

これは経営のどの階層においても重要なことです。

経営トップ、ミドル、現場それぞれが仕事をするときにPDCAを意識しなければなりません。

予算の作成はPDCAのP、実行はD、実績確認はC、対策実施はAです。

月次決算(試算表)ができるまでにどのくらい時間がかかるかというのは、

経理部門の能力と各部署の協力具合次第です。

通常、翌月5営業日までに出ないと遅いと言われています。

月次決算書は予算管理の土台となるもの。

早ければ早いほどよいし効果も大きいです。

業績が良かった場合も、もしそれが早くわかればもっと利益が出せたかもしれません。

たとえば欠品が生じていたといった場合、

手を打つのが遅れると機会損失に繋がってしまいます。

正確かつ迅速に月次決算をやるのは大変ではあります。

しかし、翌月20日になっても試算表出てこない、税理士に丸投げしているような会社は、

月次決算、予実管理の重要性を再確認する必要があるでしょう。

月次決算を早くするのはどうすればよいかを各部署で検討させましょう。

月次決算はやる気にさえなればどこの会社でもできます。

あのJALでさえ、日次決算がでるようになったのです。

要は経営者の予実管理に対する優先順位の問題ということです。

以上、参考になれば幸いです。

★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

翠星企画通信(メールマガジン)

「成長の壁を突破するための経営実践講座」

https://39auto.biz/jadestar/touroku/entryform2.htm

翠星企画株式会社 公式Facebookページ

https://www.facebook.com/jadestarplanning

★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

お問い合わせ

Contact

ご質問、ご相談はお気軽にご連絡ください。