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成長の壁を乗り越えるための経営実践ノウハウ集

成長の壁を乗り越えるための経営実践ノウハウ集
2021年4月26日

リスク対策の基本的な手順

起業・経営について

会社を継続させていくには、リスクコントロールが欠かせません。
 
リスクを考えなかったとしても一時的に成功することはできるかもしれませんが、長く続けることは難しいでしょう。
 
必ずといっていいほど、どこかで落とし穴にはまります。
 
ですので、日頃から自社のリスクはどこにあるかを考えておくことと、新たに始めることについてはリスクもセットで検討するようにしておきたいところです。
 
そこで今回はリスク対策の基本的な手順をお伝えいたします。
 
 
1. リスクの「対象・範囲」を限定し、「課題化」する
まずは、何について、どの範囲でリスクを検討するのかを決めます。
 
リスク対策は将来のことです。
考えようと思えばいくらでもリスクが考えられます。
 
限られた経営資源で効率的に検討するためにも、対象・範囲を限定する必要があるのです。
 
ただし、この対象・範囲は1つとは限りません。
 
全体のうち、重要な領域はどこなのかを考えた上で複数列挙することを心がけてください。
 
 
2.「危険エリア」を確認する
対象・範囲を列挙したら、その中で特に危険度が高い領域を確認します。
 
これもやみくもに検討して、経営資源を無駄遣いしないためです。
 
 
3. 想定される「具体的問題」を列挙した後、絞り込む危険エリアを中心に想定される具体的問題を列挙していきます。
 
列挙したらそれぞれに対して、「発生確率」×「ダメージ」で優先順位をつけていきます。
 
ここで優先順位を付けるのは、限られた経営資源で対応していく必要があるからです。
 
 
4. リスクの「原因」を想定した上で、「予防対策」「コンティンジェンシープラン」を策定するここで注意が必要なことは「問題」に対して直接対策を打つのではなく、「問題」の「原因」に対して対策を打つということです。
 
「予防対策」というのは、問題の発生を抑制するための対策のことです。
 
リスクの「発生確率」を下げるための施策です。
 
「コンティンジェンシープラン」というのは、問題が起きてしまった場合に、そのダメージを軽減するための対策のことです。
 
こちらはリスクの「ダメージ」を下げるための施策になります。
 
 
以上が基本的な流れになります。
 
ここでイメージしやすいように例をあげてみます。
 
たとえば今、ちょうど騒がれている新型コロナウィルスのような感染症が流行した場合のリスク対策を検討してみましょう。
(本原稿のベースは去年の3月頃に書いたメルマガから持ってきているため、新型コロナの影響が出始めた頃のイメージで読んでいただくとしっくりくるかと思います)
 
業種はわかりやすいように飲食店にしてみます。
 
 
まずはリスクの対象と範囲です。
今回は
「感染症流行の直接・間接原因による来店客数減少」
に設定します。
 
実際にはたとえば、
「自身や従業員の感染リスク」
「流通の麻痺による食材調達が滞るリスク」
などもあるのでしょうが、対象を絞らないとキリがなくなるので自社にとって重要なものに絞ってください。
 
 
次に「危険エリアの確認」です。
 
ここでいうエリアとは、物理的なものとは限りません。
 
たとえば今回の例では、「お客様の来店前」に絞ります。
 
来店客数減少のリスク対策なのですから、お客様の来店前が最も危険度が高いと判断します。
 
つまり、たとえば来店後のお客様が長居しないことによる客単価減少については、ここでは検討しないということです。
 
 
続いて、危険エリアを中心に想定される「具体的問題」を列挙していきます。
 
たとえば以下のようなことが考えられます。
・大規模宴会のキャンセル
・小規模会食のキャンセル
・予約無し来店の減少
 
これらに対して、「発生確率」と「ダメージ」で評価します。
 
たとえば1~5の5段階評価にして、大規模宴会キャンセルの発生確率は5、ダメージは5、小規模会食キャンセルの発生確率は3、ダメージは3、予約無し来店の減少の発生確率は4、ダメージは2としましょう。
 
それぞれの問題ごとに発生確率とダメージを掛け合わせると、大規模宴会キャンセルが、発生確率5×ダメージ5の25でこの中で最大です。
 
よって、基本的にはこの問題に対しての対策から優先的にリソースを割いていきます。
 
 
最後に「問題」の「原因」に対する、「予防対策」「コンティンジェンシープラン」の検討です。
 
なぜ大規模宴会がキャンセルになるのかというと、根本的なところとしては不安感ではないでしょうか。
 
「この状況で宴会をやるのはまずい」
「何かあったら責任取れない」
「他の宴会も軒並み中止になっている」
 
そうなると「予防対策」としては、キャンセルの発生確率を下げるための働きかけを行う対策を検討していきます。
 
たとえば、
・収容人数を絞って席間距離を取る
・消毒、防疫対策をPRする
などでしょうか。
 
ただ、正直なところ、いち飲食店ができることは限られています。
 
実際のところ、大きく発生確率を下げるのは難しいかもしれません。
 
そうなると、「コンディンジェンシープラン」として、ダメージ軽減策を検討する方が現実的かもしれません。
 
案としては以下のような感じでしょうか。
・予約キャンセルになりそうなところへ早期確認
・キャンセル率が低い小規模な会食の予約獲得に注力
・飛び込み新規来店を呼び込むことに注力
・アルバイトのシフトを減らして少人数体制で回す
・営業時間の短縮
 
 
以上、流れとしてはこのような感じです。
 
例としての良し悪しはともかくとして、イメージは掴んでいただけたのではないかと思います。
 
これを参考に、改めて自社のリスクを検討してみるとよいでしょう。
 
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