仮説・検証を行う際の留意点
経営に限らず、仕事全般において、「PDCAを回せ」とか、「仮説・検証を繰り返せ」というのはよく言われていることですね。
普段、経営者の方などとお話している中でも、何も考えずに行動だけしていたり、行動してもその振り返りを行っていなかったり、考えているだけで行動をしていなかったりといったことはよくあることです。
ですので、仮説・検証を繰り返しながら物事を進めていきましょうというのはごもっともだと思います。
しかし、仮説・検証も正しくやらないと、かえって間違った方向に進んでしまいかねません。
そこで、今回は仮説・検証における留意点を簡単に書いてみることにします。
まず大前提として、仮説の検証には仮説自体が具体化している必要があります。
つまり、仮説は検証可能なものである必要があるということです。
例えば以下のような仮説があるとします。
1.肉体労働者は疲れているので、甘いコーヒーを求めているはず
2.甘さが控えめなコーヒーが売れるのではないか
1については、肉体労働者が仕事が終わるころに行って、甘いコーヒーと甘くないコーヒーのうちどちらかを選ぶのかを観察するなどして、検証することができるでしょう。
しかし、2についてはどうでしょうか。これを検証するには何をすればよいでしょう。
そもそも”売れる”っていくら売れたら”売れる”といえるのでしょうか。
このように、仮説は検証できないと意味ありませんので、仮説を立てる際は、検証方法もセットで考えるようにしましょう。
それから仮説を立てようとするときに、「まずは資料を集めよう」、「まずデータ分析を行おう」となりがちですが、こんなことをやっていたら膨大な手間がかかりますし、ピント外れな仮説になってしまう可能性が高いです。
仮説を立てるのが先で、そのあとに資料収集やデータ分析を行うというのが正しい順番です。
これにより、仮説の検証に必要な資料や分析だけ行えばよいので、やみくもにデータ収集するよりもはるかに短い時間で済みます。
経営に限らず、お仕事をしていく上で仮説・検証が必要な場面は多々あるはずです。
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。