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致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集

致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集
2018年5月21日

未来の数字をシミュレーションする方法 その3

起業・経営について

未来の数字をシミュレーションする方法シリーズ
その1
その2
 
これまでのエントリーでは、将来の売上、経費、利益の予測を立てて数値計画を作ること、”未来の数字のシミュレーション”のやり方の全体像、環境の変化予測の方法、費用計画の作り方についてご紹介しました。
 
最終回となる今回は、売上計画の作り方についてご紹介します。
 
 
売上計画は、費用計画と比べるとちょっと作りづらいです。
というのも、費用は過去に使うと決めたものだったり、これから使う予定のものだったりと、自社でコントロールできるものがほとんどです。
しかし売上は顧客という相手があって初めて成り立つものですので、予測しづらい部分があるのです。
 
 
とはいえ、まったく予想ができないわけではないはずです。
BtoBの業務であれば、まずは手始めに、すでに契約が成立している、もしくは受注確度の高い案件についての見込み数字を入れていきます。
 
いわゆるストック型(連続型)の売り上げが多い会社であれば、これである程度の売上予測が立つのですが、フロー型(単発型)の売上が多い会社だと、売上見込みが立つのは数カ月程度先までしかないかもしれません。
まだ営業アプローチすらかけていない、存在しない案件の売上などわかるはずがないということですね。
 
その場合、まずは、過去3~5年程度の推移をみて、ひとまず売上前年比の増減率がそのまま継続するとしていったん数字を入れてみます。
その後、その1で分析した環境分析の内容を踏まえて、数字の増減を調整していくという流れです。
競争環境はどう変わってくるか、お客さんのニーズの変化はどのような影響があるか、自社の生産能力の変化はどうか、自社で今後力を入れていく商品・サービスは何か・・・こういったことを考えながら調整していきます。
 
 
また、BtoC、つまり消費者相手の商売の場合も、基本的にフロー型ビジネスの場合のやり方と同じです。
 
数字の調整部分で簡単な例を挙げると、小売業を営む会社の商圏地域の少子高齢化が特に進んでいるとして、「この高齢者向け商品は売上が増えそうだが、この子供向け商品は逆に売上が減りそうだ」といった感じですね。
 
 
このような流れで、ある程度の根拠を持った売上予測が立てられるようになります。
売上計画はあまり精度を求めすぎる必要はありませんし、求めても無駄です。
それよりも、売上予測と実績が異なってきたときに、なぜ予測と違ったのか、いったい何が原因なのか、何が起きているのかということを都度分析することの方が大事です。
 
 
これで、費用計画と売上計画が出来上がりました。
 
ちなみに利益計画ですが、
利益=売上 – 費用なので、
売上計画と費用計画(前回)が出来上がれば、自動的に利益計画は出来上がりますね。
 
以上で”未来の数字をシミュレーションする方法”のご紹介は終わりとなります。
この能力を身に着ければ、数字で先を見通せるようになりますので、従業員や金融機関などの関係者を納得させることはもちろん、自分自身も安心して経営していけるようになるはずです。
 
参考になれば幸いです。

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