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致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集

致命傷を回避するための経営実践ノウハウ集
2015年9月20日

欲しい利益額から逆算で売上計画を立てる方法(3/3)

起業・経営について

前々回のエントリーでは、「売上計画は利益目標から逆算して決めていく」方法についてご紹介しました。
 
今回は、その具体的な手順について書いていきます。
 
 
1.利益目標(経常利益、または社長の役員報酬額)を決める
まずは利益目標(経常利益、または社長の役員報酬額)を決めます。
社長の役員報酬を目標とする場合は、経常利益は0として構いません。
決め方については、前回のエントリーを参考にしてください。
 
 
2.営業外費用の計算
次は、「営業外費用」の計算です。中小企業の場合だと、ほぼ「借入金利息」になるかと思います。
「営業外収益」は金額的に無視しても差し支えない程度しかないと思いますが、多額の金利収入や家賃収入がある場合は、それらをプラスして下さい。
 
 
3.減価償却費の計算
「減価償却費」は、業種によって異なりますが、「有形固定資産×15%」程度でざっくり計算します。
売上計画の中に、設備投資が入っている場合は、その分を考慮するようにしてください。
 
 
4.人件費の計算
「人件費」は「平均給与×社員数」で計算します。
社会保険料などの法定福利費や通勤交通費などもここに含んでしまって構いません。
また、役員報酬は従業員給与分とは分けて考えた方がいいでしょう。
特に社長の報酬については、「いくら報酬を取るか」という決めの問題でもあります。
 
 
5.粗利益額の計算
「粗利益額」は、「労働分配率」から逆算します。
これも業種によって異なりますが、労働分配率の平均を50%として、「人件費÷労働分配率(50%)」で「粗利益額」を計算します。
なお、自社にとっての適正な労働分配率やその中の役員報酬分と従業員給与分の比率については、社長の考えによる決めの問題です。
 
 
6.経費の計算
ここまでの計算で、「営業利益(経常利益-営業外費用+営業外収益)」、「減価償却費」、「人件費」、「粗利益額」が分かります。
ここから「経費」を、次の計算式で導きます。
「粗利益額-人件費-減価償却費-営業利益」
つまり、「経費」は、「この計算から算出された額しか使えない」ということです。
地代家賃や広告宣伝費といった費用の大きいもの、または会社にとって重要な経費項目がある場合は、過去の数値や計画の具体策をもとに適宜調整を行ってください。
 
 
7.売上、原価の計算
「粗利益額」を「粗利益率」で割ると、「売上」が決まります。
そして、「売上」から「粗利益額」を引くと、「原価」が計算されます。
粗利益率については、過去の数値を参考にするか、今後の計画で増減するようであれば、それを踏まえて決定してください。
 
 
以上が、「利益目標」から「逆算」して、「売上」を決定する方法です。
この方法のメリットは、利益から考えることで、会社の将来像を具体的に描きやすく、その計算過程で「今、やるべきこと」を理解できるようになることです。
また、これによって「数字で経営を考える」能力も身に付きます。
 
 
私自身、売上計画を立てる際に使っていて、効果も実感している方法ですので、是非、取り組んでみてください。

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