仙台・宮城の不敗戦略コンサルタント / 中小企業診断士 翠星企画株式会社 代表取締役 細野哲平ブログ

東北地方の中小企業経営者が会社を経営していくうえで
役立つであろう内容を中心にお届けしていきます。

不信感を生む意思決定のやり方

2021年5月20日
今回は意思決定でよくある勘違いをご紹介します。
 
これをやってしまうと相手に不信感を抱かせてしまうので気を付けていただきたいと思います。
 
例題を通じて考えてみましょう。
 
現地法人A社は、米国企業Y社と取引があり、あるときY社に損害を与えてしまった。
それに対し、A社担当者は、ある解決策を提示したが、Y社はそれを了承しなかった。
この場合、あなたがA社長ならどうしますか?
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
いかがでしょうか。
これと似たようなことはよくあるかと思います。
 
このような場合、よくある解決方法の流れは、次の通りです。
 
まず、とりあえず静観。様子を見る。
「相手がどう出るかいったん様子を見ようか」
といった感じですね。
 
そこでY社が再度文句を言ってきたとします。
そうしたら、A社が提示した解決策を更に詳しく説明して納得をしてもらおうとします。
 
それでもまだ駄目な場合。
今度はY社に理解してもらうために、自分の上司、場合によってはA社の社長がY社に出向いて解決を図ろうとします。
 
それでも解決しない場合。
その場合は妥協に入ります。
Y社が自社にとって重要なお客さんなのであれば、最終的には相手の言い分を飲むことにします。
 
 
だいたいこんな感じのプロセスになります。
心当たりのある方もいらっしゃるかもしれません。
 
一般的に、このようなやり方はプロセスとして当然のことのように思われています。
 
この流れの中のどこかで片付くだろうと考えます。
 
 
ただ、これを問題解決の視点でとらえた場合、この「静観」から「説明」、それから「理解を求める」、そして「妥協」。
実はこれらはプロセス(流れ)ではありません。
 
これはプロセスではなく、複数の選択肢と考えることができます。
 
たとえばA社に全く非が無ければ、それは静観してもいいし、最後までとことん無視し続けるべきです。
 
もしY社がA社の解決策を誤解しているのであれば、説明をして理解を求める必要があります。
 
妥協することが最適な場面であれば、すぐそのプロセスを考える必要があります。
 
非は全てA社、つまり自分にあるのであれば、さっさと非を認めて謝ってY社の損害を償う対応が求められます。
 
 
曖昧な態度をとる人というのは、このプロセスと複数選択肢を混同しています。
 
これはよく間違えるので注意してください。
 
逆にこれを混同せず、複数選択肢の発想で対応したのが、不幸な事件で有名な中国の「天安門事件」です。
 
この事件は政府による民間人の大虐殺ということで、世界中の世論を敵にしました。
 
中国政府の暴力的な弾圧に対して、世界中が批判をしました。
 
ところが、その時中国政府はどうしたか。
 
最後までとことん無視し続けたのです。
 
事件に関して、未だ何のコメントも出していません。
 
やったことの良し悪しはともかく、中国政府は無視するということが最善の選択肢だと意思決定したのです。
 
海外からの圧力に対して、説明したり、理解を求めたり、妥協や言い分を飲んだりはしませんでした。
 
これらの選択肢の中から「無視する」という選択肢を選んだ、つまり意思決定したのです。
 
 
複数選択肢の領域にも関わらず、それをプロセスと間違えた場合、対応が機敏でなくなると同時に、相手に誤解を与えやすくなります。
 
 
たとえば日米の経済摩擦が実際にジャパンバッシングにまでエスカレートしました。
 
あれは日本側がこの2つを混同したからです。
 
日本はきちんと説明できる選択肢を提示していません。
 
自分に都合がいい選択肢、たとえば静観や無視などでまず対応しました。
 
そうすると相手が圧力をかけてきます。
 
すると違う選択肢をしぶしぶ出します。
「そう来るならもう少し譲歩しようかな」といった感じです。
 
それを見た海外の国々はどう思うでしょうか。
 
「だったらもっと圧力をかければいいんだな」
と考えます。
 
そうすると本来は対等の立場の交渉のはずなのに、一方的なバッシングになってしまいます。
 
そしてそんな日本人のことを、海外の人たちは「日本人はよくわからない」
あるいは、
「ずるいな」
といったように誤解をしてしまいます。
 
 
こういった国際的な場面だけでなく、ビジネスの場合もプロセスと複数選択肢を取り違えると起こさなくてもよいトラブルにつながってしまいます。
 
 
周囲にこういう人はいないでしょうか?
はっきり言いにくいことがあると、
「ちょっと考えさせてくれ」
といって、自然消滅を待つような人。
 
これは日本人特有の慣習です。
 
だから海外の人にはそれがわかりません。
日本人にとってはそれが「和を以て貴しとなす」なのですが。
 
この「はっきり言わない」というのが、日本人のグローバルで考えると悪い部分です。
 
我々日本人目線で考えると、世界に対して色々貢献しているはずなのですが、こういったところが原因で誤解を受けているのが残念です。
 
そういった意味でも意思決定はきちんとすべきです。
 
プロセスと複数選択肢を混同しないよう、くれぐれもお気を付けください。
 
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